家族葬を真面目に考える時。
それは、ずっと先のことではなく、明日突然やってくることなのかもしれません。
今年5月、叔父が亡くなりました。
知らせは突然でした。
でも、考えてみれば、人が亡くなるときの知らせなんて、大体そういうものなのだと思います。
私は神戸まで向かいました。
叔父のお葬式は家族葬でした。
身内を中心にした、小さなお葬式です。
私は田舎育ちなので、「葬式」と聞くと、少し違う景色を思い浮かべます。
家に何十人、何百人という人がやってきて、親戚だけではなく、近所の人や仕事関係の人まで集まる。
そんな大きなお葬式が、私の中では長い間「普通のお葬式」でした。
今は葬儀場で行うことも増えましたが、それでも私は、葬式というものはある程度大きな規模で行うものだという感覚を持っていました。
ところが叔父のお葬式は、本当に小さなものでした。
家族と近しい人たちだけで送りました。
騒がしさもなく、慌ただしさも少なく、故人との時間を静かに過ごすことができました。
とても良いお葬式だったと思います。
一方で、どこかで「これでいいんだろうか」と思っている自分もいました。
昔ながらの大きなお葬式を知っているからこそ、小さなお葬式に少し戸惑ったのかもしれません。
けれど、お葬式の形そのものが、昔とは変わっているのでしょう。
そして、その葬儀でもう一つ、強く心に残ったことがありました。
私の父も、叔父の訃報を聞いて葬儀へ飛んできました。
亡くなった叔父は、父の弟です。
その父を見ながら、私はふと思いました。
「次は、父なのかもしれない」
もちろん、そんなことは考えたくありません。
まだ元気でいてほしいし、できればずっと考えたくない話です。
でも、叔父が亡くなったことで、それまで遠くにあった「親の葬式」というものが、急に現実の距離まで近づいてきました。
家に帰ってから、夫とも話をしました。
夫の父母。
私の父母。
順番がどうなるかは誰にも分かりません。
けれど、私たち夫婦はこれから先、少なくとも何度か、親を送るという経験をする可能性があります。
そのときになって初めて、
「葬儀ってどうすればいいの?」
「どこへ連絡すればいいの?」
「いくらかかるの?」
「家族葬って何人くらい?」
「本人の希望は?」
と、一から調べ始めることになる。
それはかなり大変だと思いました。
考えておくのは、とても嫌なことです。
親が亡くなることを前提に準備をするようで、縁起でもないと感じる人もいるでしょう。
私も、積極的に考えたいことではありません。
でも、知っているのと、何も知らないのとでは、きっと全く違います。
急にその日はやってきます。
そのときに、ほんの少しでも調べておけば、何も知らない状態よりは怖くない。
私はそう思うようになりました。
そこで今回は、50代の自分自身のためにも、家族葬とはどんなものなのか、費用や流れ、事前に確認しておいたほうがいいことを調べてみることにしました。
家族葬とは、どんなお葬式なのか
「家族葬」という名前から、家族だけで行う葬儀だと思っている人もいるかもしれません。
実際には、必ずしも家族だけに限定されるわけではありません。
家族や親族、親しい友人など、故人と近しい人を中心に、小規模で行う葬儀を一般に家族葬と呼びます。
何人までなら家族葬、という厳密な決まりがあるわけではありません。
10人程度の場合もあれば、30人、50人程度になることもあります。
一般葬との大きな違いは、参列する人をある程度限定することです。
仕事関係者や近所の人など広い範囲へ知らせるのではなく、故人と近しい人を中心に見送ります。
人数が少ない分、故人とゆっくりお別れしやすいことが、家族葬の大きな特徴です。
叔父の葬儀でも、まさにその良さを感じました。
形式に追われるというよりも、「最後に一緒に過ごす時間」という感覚が強かったように思います。
家族葬なら安い、とは限らない
私自身も最初は、
「人数が少ないなら、普通のお葬式よりかなり安いのでは?」
と思っていました。
ですが、ここは単純ではありません。
参列者が少なくなれば、料理や返礼品など人数によって増減する費用は抑えやすくなります。
一方で、
・火葬
・棺
・祭壇
・式場使用料
・搬送
・安置
・葬儀スタッフ
など、人数に関係なく必要になる費用もあります。
そのため、「家族葬=必ず安い」と考えるのではなく、
「何がプランに含まれているのか」
を確認することが大切です。
特に葬儀の料金では、
「最初に見た金額より最終的な支払い額が高くなった」
ということが起こる場合があります。
必要なものが基本料金に含まれているのか、追加費用が発生する可能性があるのかは、事前に聞いておいたほうが安心です。
家族葬で確認しておきたいこと
実際に親の葬儀を考えるなら、費用だけではなく、いくつか確認しておきたいことがあります。
まず、誰を呼ぶのか。
家族だけなのか。
兄弟姉妹までなのか。
親しい友人にも知らせるのか。
本人が長く付き合ってきた人を、家族がすべて把握しているとは限りません。
次に、宗教やお寺との関係です。
菩提寺がある場合は、お寺への連絡が必要になることがあります。
墓がどこにあるのか。
戒名はどうするのか。
誰に連絡するのか。
こうしたことも、いざという時に初めて調べると大変です。
そして意外と大切なのが、本人がどんな葬儀を望んでいるのかです。
盛大にしてほしいのか。
家族だけで静かに送ってほしいのか。
葬式そのものをあまりしてほしくないのか。
元気なうちなら本人に聞くことができます。
聞きにくい話ではありますが、残された家族が迷わないためには、本人の希望を知っていることは大きな助けになります。
葬儀の事前相談は「申し込むため」だけではない
今回調べていて知ったのですが、葬儀会社では、生前の事前相談を受け付けているところがあります。
私は以前、「葬儀会社へ相談するのは、人が亡くなってから」というイメージを持っていました。
でも、そうではありません。
まだ何も起きていないうちに、
「家族葬ならどのくらいの費用になるのか」
「この地域ではどこの斎場を使えるのか」
「何人くらいなら、どのプランになるのか」
「亡くなったら最初にどこへ電話すればいいのか」
といったことを聞くことができます。
事前相談をしたからといって、必ずそこで葬儀をしなければならないとは限りません。
まず知っておくだけでも意味があります。
むしろ、何も起きていないときだからこそ、落ち着いて聞けることがあります。
実際にその日が来てしまったら、冷静に葬儀会社を比較する余裕があるとは限りません。
私は叔父の葬儀を経験して、そこを強く感じました。
50代になったら、一度だけでも調べておく
親の葬儀について調べる。
こう書くだけでも、少し嫌な気持ちになります。
「そんなことを考えたら、本当に起きてしまいそう」
と思う人もいるかもしれません。
でも、調べることは、親が亡くなることを願うことではありません。
いざというときに困らないための準備です。
私自身、叔父の葬儀がなければ、まだ真面目に考えていなかったと思います。
父も母もいる。
義父も義母もいる。
元気なうちは、どうしても「まだ大丈夫」と思ってしまいます。
でも、訃報は予定を聞いてから来てくれるわけではありません。
ある日突然、その日は来ます。
だから私は、全部決めておく必要はなくても、
「この地域なら、どんな葬儀会社があるのか」
「家族葬はいくらくらいなのか」
「誰に連絡すればいいのか」
くらいは、一度確認しておいてもいいと思うようになりました。
家族葬について一度相談してみたい人へ
家族葬について調べていると、事前相談や問い合わせを受け付けている葬儀サービスがあります。
今すぐ葬儀をする予定がなくても、
「家族葬ならどんな形になるのか」
「どのくらい費用を考えておけばいいのか」
「自分たちの場合は、どんな準備が必要なのか」
を確認しておけば、いざというときの不安を少し減らすことができます。
私自身も、「まだ先の話」と思っていた側です。
でも叔父の葬儀をきっかけに、親のことを考えるようになりました。
知りたくないことだからこそ、何も起きていない今、少しだけ調べておく。
それくらいでいいのだと思います。
【家族葬の事前相談・問い合わせを確認する】
※
まとめ
家族葬について考えるきっかけは、人それぞれです。
私の場合は、叔父の葬儀でした。
小さな家族葬は、昔ながらの大きなお葬式とはまったく違いました。
でも、近しい人だけで静かに送る時間は、とてもあたたかいものでした。
そして同時に、
「次は、自分の親かもしれない」
という現実にも気づきました。
考えたくない話です。
でも、その日が来てから、悲しみの中で何もかも一から調べるより、今少しだけ知っておいたほうがいい。
家族葬とはどんなものなのか。
費用はどのくらいなのか。
どこへ連絡するのか。
本人はどんな形を望んでいるのか。
全部決めなくても構いません。
一度調べておくだけでも、きっと違います。
「まだ大丈夫」と思える今こそ、少しだけ知っておく。
50代になった私にとって、葬儀について調べることは、そんな意味を持つようになりました。